包丁の研ぎ方
はじめに
包丁の研ぎ方をご紹介します。研ぎ方には諸説ありますが、基本はだいたい同じかと思います。また、ナイフや鉈も基本は同じと言われています。
簡易包丁研ぎ器は一時的には切れるようになるのですが、何度も使用しているうちに刃をつぶしてしまう(切れなくなる)ことが多いため、数回に一度はきちんと砥石に当てて研ぐことをお薦めしています。
最初はなかなかうまく砥げないものですが、何度か研ぐうちに上達していきますので、ぜひトライしてみてください。
砥石の準備
ご家庭での刃付けなら、1000番くらいの中研ぎ砥石だけでも構いません。荒砥石は刃こぼれした時に使用し、仕上げ砥石は本格的に仕上げたい場合に使用します。研ぐ前に砥石を水に漬け、気泡が出なくなるまで十分に水を含ませます。
<十分に水を含ませたら、動かないように下に濡れタオルを敷いたり、砥石台などで固定して置きます。
※天然砥など水に漬ける必要のないものもあります。
※表面がへこんで平らでない場合は、必ず面直し砥石などで平らにしてからお使いください。
※研いでいる途中で乾いてきたら、適宜水をかけながら研ぎます。
持ち方
柄をしっかりと握り、親指は刃元 (柄に近い部分)を押さえて安定させます。刃は手前(自分の方)に向け、刃の角度は砥石に対して15度くらい(包丁のみね(背)に10円玉が2~3枚入る程度)になるよう寝かせて持ちます。もう片方の手は、人さし指、中指、薬指の三本をハラに軽くそえます。
角度は一概には言えないので目安ですが、常に同じ角度を保つことが重要です。
研ぎ方
刃先から順に、刃先→刃の真ん中あたり→刃元と、数カ所に分けて、包丁を前後に動かして砥いでいきます(刃元から順でもOK)。※押す時に力を入れます。
※力加減の目安は、アバウトですが包丁がグラグラしない程度です。
指で刃先を触ってみて、刃先からアゴまで全体に「カエリ」といわれる引っかかりが出てくるまで研ぎます。
カエリとは、研いだときに刃先に出る金属の薄いまくれのことです。
片面が研げたら刃を裏返し、同じ行程を繰り返して裏面も研ぎます。
今度は、刃の向きは向こう (進行方向に刃がある状態)で、引く時に力を入れます。 ※右手と左手を持ち替える方法(刃は手前、押す時に力を入れる)もあります。やりやすい方で構いません。
・両刃:表と裏を同回数、角度を保って研ぎます。
・片刃:表を20回、裏を3回の割合で角度を保って研ぎます。
両面を研ぎ終わったら最後に包丁を寝かせ、アゴ(柄の方)から刃先の方向に数回軽くこすり、カエリがとれたら完了です。仕上げ砥石がある場合は、仕上げ砥石を使って刃先を整えてください。
研ぐ角度をつけ過ぎたり、研ぎ過ぎたりすると、変形したり切れ味が落ちることがありますので、ガシガシ研ぎ過ぎないようにしましょう。
研ぎ終わったら
包丁をキレイに洗い、しっかりと水気をふき取ります。砥石もキレイに水洗いし、よく乾かしてから保管してください。
以上で無事終了です。お疲れさまでした!
鉈・ナイフの研ぎ方
包丁と同様、砥石に対して一定の角度を保つようにして研ぎます。刃の付け方(角度)は、刃の厚みや使用用途、好みなどで変わってきます。
鋭角に研げば、欠けやすく切れ味も長持ちしませんが、よく切れます。鈍角に研げば、刃の食い込みは鈍くなりますが、欠けにくく切れ味も長持ちします。
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